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整形外科

診療内容

2018年4月より、近隣診療病院との連携の充実と当院でより症状の重い患者さんへの適切な対応と高度な要望にお答え出来るように外来を原則予約制のみの診療とさせて頂いております。救急患者さんや紹介状をお持ちの患者さんは受付時間外でも対応しております。

昨年から2019年にかけて退職を含めた医師の異動が多くあり、この一年で医師の半数が入れ替わる事になります。全体に若返りますが、地域の救急医療の中心的な役割を担うという済生会野江病院整形外科の伝統を踏襲しつつ新しい風を吹き込ませるべく、近年整形外科領域で目覚しい発展を魅せている手術機械、手術技術とともに専門性を高めた手術・医療を導入していく予定にしております。

昨年より股関節の専門外来はすでに発足しております。米国Stanford大学での股関節外科留学を含む20年以上の整形外科、股関節外科医としての経験をもつ柴田弘太郎ロバーツ先生を迎えております。人工股関節はもとより股関節鏡での関節温存手術を専門としており、股関節の問題でお困りの方に幅広く対応出来る体制となっております。また、昨年までは行っていなかった肩関節・膝関節の関節鏡下手術とともにこの地域では行っていない股関節の関節鏡下手術も行える体制となっております。肩関節の痛み、肩腱板、関節唇の損傷裂の症状や股関節痛でお困りの方がおられましたら、かかりつけ医からの紹介状をお持ちのうえ受診ください。整形外科での治療の要望が高い膝関節外科と脊椎外科の専門外来の発足も進めていっております。

当科の特色

他の動物と異なり、人間が人間たる所以は高度な知能とそれを支え発展させて来た高機能の運動能力を持ち合わせていることです。また、人間は立つ歩行する等の二足運動をする事で体の代謝や循環のバランスを保ち健康を維持しています。怪我や変形等でその運動能力が損なわれると健康を維持する事も人間らしく生きて行く事も困難になります。その高機能の運動能力を再建し回復させる治療をする科として整形外科は大切な役割を果たしているものと思っております。整形外科領域の治療は、高度な社会になるにつれ、その重要性は増しております。人間が人間らしく長く生き続けるために大切な役割を担っている科として皆さまの為に日々努力し精進しております。お困りの際は、紹介状をお持ちのうえ是非外来にお越しください。

整形外科疾患

股関節領域

股関節はヒトの最大荷重関節です。股関節には、片足を踏み出す際に体重の4倍もの負荷がかかると言われています。ヒトが立って歩行する際に最も重要な関節と言えます。
股関節を中心とした鼠径部周囲の痛みの原因は様々です。というのも鼠径部の近傍には股関節とその周囲の筋肉や軟部組織のみならず、骨盤内から陰部の臓器、腰部から下肢に伸びる坐骨神経を含む神経血管等多くの臓器が複雑に交わっている領域であり、正確に痛みの原因を診断するには高度な知識と経験を要すると言えます。

股関節インピンジメント症候群
(Femoroacetabular Impingement:FAI)

股関節の疾病で、近年その診断と治療方法が目覚ましい発展を認め注目されている疾病です。
FAIは臼蓋縁の変形突出(Pincer)あるいは大腿骨の変形突出(Cam領域)が、股関節屈曲時に繰り返し衝突(impingement)する事で挟まれる関節唇や関節面に損傷が生じる形態異常を指します。
症状としては、主に股関節を深く曲げる動作(くっしん・しゃがむ・靴下や靴を履く動作、階段を登る・走る・自転車乗り等の運動、車からの乗り降り等)で股関節部、特に前方外側部に痛みを自覚します。運動をする比較的若い人に発症しやすい股関節疾患です。

【治療】
消炎鎮痛剤やリハビリ加療による保存的加療を行います。痛みが持続する場合は、超音波エコー下(もしくは透視下)の股関節内へ注射が有用です。それでも痛みが持続し変形性股関節症の所見がない、もしくは軽度の場合は、股関節鏡下の手術的加療が考慮されます。

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股関節鏡下の手術的加療では、下肢を牽引、股関節鏡下に関節内を確認します。関節唇損傷があれば、修復処置をします。損傷が強い場合は部分切除を行います。臼蓋、大腿骨頚部の骨変形が認められれば、骨を削り骨形態の異常を形成処置します。そのほか関節内の滑膜炎や関節軟骨の損傷があれば、切除やマイクロフラクチャー処置をします。股関節の不安定性があれば、関節包縫縮術を追加します。

術後は骨の形成の度合いに応じて下肢の免荷と股関節の可動制限をします。術後約2週間は制限を要します。その後、股関節の可動域、筋力回復のためのリハビリ加療を行います。

変形性股関節症

軟骨がすり減ってしまうことで骨と骨が直接ぶつかり、変形や痛みを生じる経年性の疾患です。
日本人の場合、もともと寛骨臼の形成が不十分(寛骨臼形成不全:かんこつきゅうけいせいふぜん)で被りが浅く、体重を受ける面積が小さいことが原因となることが多いです。最近では高齢者の骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が原因となっていることも多くなっています。

【治療】
まずは保存療法を試みます。関節周囲の筋力や体幹を鍛えるリハビリを行い、消炎鎮痛剤の注射や投薬をします。それでも症状が続くようなら手術を考えます。

  • 棚形成術

手術は年齢や股関節の軟部組織の損傷、変形の度合いによって幾つか選択肢があります。比較的若い方は「軟骨損傷」や、関節唇(かんせつしん)という水道管でいえばゴムパッキングの部分がはがれる「関節唇損傷」が見つかることも多く、その場合は股関節鏡下手術で損傷部分を除去し縫合します。
寛骨臼形成不全の部分では、寛骨臼の前外側に屋根を作るような形で骨を移植し、骨頭の被覆を改善する手術(棚形成術)を行うことで、進行を防ぐ治療をします。

  • 人工股関節置換術

変形が強い場合には人工股関節置換術を行うことになります。
当院が採用している人工股関節手術のタイプはハイブリッド方式とよばれるものです。カップ側はセメントレス、ステム側はセメントタイプを使っています。カップ側はセメントレスの方が若干固定性がよく、設置しやすいと考えております。一方、大腿骨は患者さんによって形状が異なる上に、人工股関節は寛骨臼側と大腿骨側の設置角度が大変重要です。セメントタイプならその微妙な角度の調整が可能で、術前計画通りに固定することができると考えています。

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人工股関節は20年、25年と長く使っていただくものですので、最も重要なのは手術時間が短いとか傷が小さいということよりも、いかに正確な角度と位置に人工関節を設置するかということです。このことを大前提に私が採用しているのは「前側方(ぜんそくほう)アプローチ法」という切開法です。この前側方アプローチ法は、お尻側でなく体の前の方から寛骨臼を見ることができるためその形が見やすく、カップの設置位置をしっかり確認できるという利点があります。また人工股関節は脱臼するリスクがありますが、このアプローチ法は後ろ側の筋肉を切らないために、脱臼を防ぐ意味でも有効だと考えています。

  • 人工関節再置換術

病院には同種骨バンクも兼ね備えており、骨欠損を有するような進行している人工関節のゆるみの再置換術にも対応できる体制を整えております。

人工股関節手術の合併症

合併症には最善の注意を払っております。合併症で最も困るのは感染です。人工物の周囲は免疫が弱くなるため、人工物そのものに菌がつくと菌が繁殖する恐れがあります。そうなると人工物を一度抜去して洗浄し、抗生物質での治療を行い、沈静まで6週間程度の時間を要するなど非常に大変なことになります。そのため当院では手術室をクリーンルームで行い、術者はサージカルヘルメットという宇宙服のようなものを着用、手術前の消毒、手術中の洗浄液、人工関節の取り扱い、人工関節周囲の抗生剤の使用、最終的な創部の縫合様式と全ての段階で清潔環境に細心な注意を払っております。
 

肩関節領域

肩関節とは人間の最大の特徴である手の機能を発揮するために可動性と手を正確に使うための安定性を兼ね備えた関節です。人体の中でもっとも可動域の大きい関節であると同時にもっとも不安定な関節でもあります。このため、もっとも脱臼しやすい関節であります。5人に1人は一生で一回は何らかの原因で肩の症状を自覚し、30歳以下では主に脱臼、骨折等の外傷によるものが多くなっています。しかし、肩関節痛の大半は50~70代に自覚し、この多くは年齢的な肩関節の変化が原因です。肩腱板断裂や肩の変形性関節症や五十肩といったものです。
肩関節の症状で外来を受診していただく患者さんの中で多く診る肩の疾病は、五十肩、肩インピンジメント症候群、肩腱板断裂です。

五十肩

【特徴】
画像的での診断所見がなく、自動でも他動でも認められる多方向性の強い可動域制限(他の疾患―心臓、内臓、骨腫瘍、神経痛、関節内の損傷等―を除外)です。
【治療】
保存的(リハビリテーション、処方、注射等)なものが主体となります。

肩インピンジメント症候群

【特徴】
腕の挙上動作の際に一定の高さまで挙げると肩の外側から上腕にかけて疼痛を自覚します。他動では可動域制限は軽度であるのが五十肩とは大きく異なる特徴です。酷くなると夜間痛を自覚することもあります。
【治療】
肩の筋力バランスを考慮した筋力訓練が主体になります。悪くなれば注射をすることもあります。

肩腱板断裂

【特徴】
上記の肩インピンジメント症候群の症状が悪化、腱が断裂するために腕の上がりが悪くなり、場合によっては上がらなくなることもあります。
【治療】
筋力訓練を中心としたリハビリをまず行いますが、症状の改善なく筋力が改善しない場合は肩関節鏡視下での腱板修復術を行います。

手術後のリハビリは装具固定を要します。リハビリ加療は1−2ヶ月を要します。

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膝関節領域
  • 人工膝関節置換術

膝の痛みにより外出をためらう患者さんが、人工膝関節置換術を行うことで、行動範囲が広がります。充実した人生を送るための大きな手助けになると考えます。関節破壊が進んだ高齢者の方には、新しい関節を手に入れる手術とも言えます。
古くは1860年頃に膝の中に膜を挿入する試みがありました。以後様々な形が試行錯誤され、現在の形に近いものが1970年ごろ出来上がりました。当時は、インプラント10年生存率が80%程で、20%の方は機能しなくなっていました。
現代は、素材、技術の進歩により70歳以上の患者さんでインプラント10年生存率が98%とも報告されるようになってきています。ただし、55歳未満では92%と低下することが報告されており、活動量の差によって、インプラントの耐久性が変化することを示しています。
上記の耐久性を考慮し、適応年齢を変形性膝関節症60歳からとしています。もちろん、患者さんの状態は個々に異なりますから、相談したうえで決めることになります。
端的に人工膝関節について説明すると下記になります。

  • 人工膝関節の耐久年数は15年~20年
  • メリット:除痛効果、アライメントの矯正
  • デメリット:耐久年数、感染
  • スポーツの許容範囲はウォーキングや登山、ゴルフなど
    (ジョギングやコンタクトスポーツは耐久性の面からお勧めできません)

【人工膝関節の今後の課題】
歴史に学び、人工膝関節の長期成績がより改善されていますが、他分野での医学進歩も著しく、70歳で人工膝関節を行い、90歳以降も元気に過ごされている方も増えてきています。以前は、一度の手術で一生分の耐久性があると説明できていたものが超高齢化社会により、15年以上先の入れ替えの可能性や、転倒などによる、インプラント周囲骨折などが新たな課題として立ちはだかります。
当院は、予約制を基本とした外来となっているため、手術前に患者さんとの相談する時間が比較的あると考えます。手術によるメリットは大きいと考えますが、どんな手術にも合併症が存在します。術前に患者さん、ご家族と情報を共有し、互いに納得して手術を行うことを重要と考えています。

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患者の皆さまへメッセージ

急性疾患にしろ、慢性疾患にしろ、患者さんの苦痛が少しでも和らぐことを目標として日々努力しております。脊椎や関節の疼痛をお悩みの方は、ぜひご来院ください。
なお、平成30年4月より原則予約制のみの診察としておりますので、受診の際は、ご自宅近くの医療機関からご紹介いただくようお願いいたします。

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診療担当・日時

 
午前 B-5 予約外来
増田
予約外来
柴田
予約外来
予約外来
畑田
予約外来
柴田
B-6 予約外来
畑田
予約外来
予約外来
泰永
予約外来
増田
予約外来
横山
B-4 - 予約外来
芳山
- 予約外来
横山
-
午後 B-5 (手術) 予約外来
柴田
(手術) (検査) (手術)
B-6 (検査)
B-4

→休診・代診のお知らせ

【整形外科】診療体制変更のお知らせ

平成30年4月より、整形外科の外来診療は原則予約制となりました。
なお、紹介状をお持ちの方はこの限りではありません。
原則的に診察予約は手術対象の患者さんに限らせていただきますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。→詳しくはこちら

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診療実績

平成30年度手術症例
脊椎外科 頚椎 23
胸腰椎 59
関節外科 人工股関節 24
人工股関節再置換 3
股関節鏡手術 1
大腿骨人工骨頭 54
人工膝関節 41
膝半月板手術 11
肩関節鏡 3
外傷 上肢骨折手術 140
下肢骨折手術 138
手の外科 44
腫瘍外科 6
その他 19
合計 592

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スタッフ紹介

photo 部長 兼 リハビリテーション科部長 柴田 弘太郎ロバーツ
[学位等]
関西医科大学医学部卒/京都大学大学院修了/医学博士
[専門医・認定医]
日本整形外科学会(専門医)
photo 医長 増田 陽平
[学位等]
高知医科大学医学部卒
[専門医・認定医]
日本整形外科学会(専門医)
photo 医長 東  勇哉
[学位等]
奈良県立医科大学医学部卒
photo 医員 横山 友研
[学位等]
滋賀医科大学医学部卒
photo 医員 畑田 良輔
[学位等]
香川大学医学部卒
photo 医員 芳山 貴樹
[学位等]
京都大学医学部卒
photo 非常勤医師 泰永  募
[学位等]
京都大学医学部卒/医学博士
[専門医・認定医]
日本整形外科学会(専門医)/日本リウマチ学会(専門医)/
日本リハビリテーション医学会(認定臨床医)/
中部日本整形外科・災害外科学会(評議員)

 

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