副院長 太田 秀一

副院長 太田 秀一 / 消化器外科

Q1.ロボット手術とはいったい何ですか?

映画に出てくるような、カプセルの中に入ると全てロボットが手術してしまうような機器ではなく、現在、頻繁に行われている腹腔鏡下手術を進化させた手術です。腹腔鏡下手術の鉗子部分とカメラがロボットにつながり、外科医が少し離れたコンソールに座って手術を行います。


Q2.腹腔鏡手術とロボット手術はどう違いますか?

腹腔鏡下手術は、二酸化炭素で気腹(人工的に気体を入れておなかを膨らませて空間を作ること)した腹腔内のスペースに、目である内視鏡と手である鉗子を挿入し、手術を進めていきます。鉗子は40cmほどの細長い道具で関節はなく、直線的な動きが中心となり、上下左右、押し引き、回転の動きを駆使し行う手術です。
ロボット支援手術は、目である内視鏡の解像度が高く、鮮やかな三次元画像による拡大視が可能となりました。またコンソールに入って両眼それぞれに異なった位相での画像を見ることで、より自然な三次元画像を見ることができます。鉗子には関節機能が加わり、手首を曲げて奥から操作するような、人間の手の動きを正確に再現できるように作られています。さらには人間の手以上の関節可動域があり、人間の手では不可能な角度での操作ができ、狭く、深く、覗き込むような術野での手術が容易となっています。手元で大きく動いても鉗子の先端では小さくしか動かない motion scaling機能や手ぶれ防止機能も付加され、安全で精緻な手術が可能です。手ぶれ防止機能は実際に使用してみると極めて優秀で、自分が剥離したい部分に正確にストレスなく到達してくれます。もちろん補正されている感覚はありません。従来の腹腔鏡手術の限界点を克服するための優れた機能を有する機器であることは間違いありません。


Q3.ロボット手術でも全身麻酔するのですか?

全身麻酔で手術を行います。患者さんは寝ている間に手術が行われるため、術中の痛みや、苦痛を感じることはありません。


Q4.高齢者でもロボット手術を受けられますか?

全身麻酔に耐えうる、全身機能があれば手術を受けていただくことが可能です。
鉗子が腹壁を貫いている部分を支点にロボットが正確に鉗子を動かすため、腹壁を押したり、引っ張ったりすることが少なく、患者さんの傷の痛みは軽減すると考えられています。

インタビュー一覧

  • 副院長 河野 隆一 / 脳神経内科
  • 副院長 野田 幸弘 / 小児科
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  • 副院長 太田 秀一 / 消化器外科

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