
部長 相原 顕作 / 呼吸器内科
Q1.どのような症状があれば、呼吸器内科を受診したほうがよいのでしょうか?
咳、痰、息切れ、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音を伴う呼吸などが、呼吸器の病気でみられる代表的な症状です。
「以前より階段ですぐ息があがるようになった」「風邪は治ったはずなのに咳や痰がよくならない」といった症状があれば気軽にご相談ください。
Q2.「咳が長引く」のですが、どのくらい続いたら受診すべきですか?
ひとつの目安は「2〜3週間」です。
咳は風邪をひいたときにもよくみられる症状ですが、通常は短期間で自然に治まります。
一方、3週間を超えて長引く場合は喘息や結核、肺がんなどの重大な病気が隠れている可能性が高くなってきます。「夜眠れないほどの咳」や「出血を伴うような咳」の場合は、出始めたばかりでも我慢せずにすぐ受診してください。
Q3.肺炎と気管支炎は何が違うのでしょうか?
どちらも肺に細菌やウイルスなどの病原体が侵入して起こる病気ですが、炎症が起きている「場所」が異なります。
「気管支炎」は肺の奥へ空気を送る「通り道」の炎症で、主な症状は咳や痰です。
一方、「肺炎」は酸素を取り込む「肺の袋(肺胞)」にまで炎症が及んだ状態で、高熱や呼吸困難を伴いやすく、「気管支炎」よりも重症なことが多いです。
Q4.息切れを感じるのは年齢のせいでしょうか?病気の可能性はありますか?
「年齢のせい」と決めつけてしまうのはよくありません。
確かに加齢に伴って呼吸機能は衰えていくものですが、日常生活で息切れを実感するようであれば、呼吸器の病気かもしれません。特に「去年まで登れた坂道がつらい」といった変化は重要です。
単なる運動不足なのか、治療が必要な病気なのか、まずは診察と検査を受けてみましょう。
Q5.喫煙歴があります。将来どのような呼吸器の病気に注意すべきでしょうか?
最も注意すべきは「肺がん」と「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」です。
COPDはタバコの煙に含まれる有害物質によって肺が壊れて呼吸が苦しくなる病気で、一度壊れた肺は元に戻りません。何年もかけて進行していきますので、今は無症状だったとしても、呼吸機能はすでに落ちてきていることがあります。
何よりも大切なのは禁煙です。タバコをやめたいが自分の意志ではやめられない方は、禁煙外来を利用することもできますので、ご相談ください。
Q6.喘息は子どもの病気というイメージがありますが、大人でも発症しますか?
大人になってから喘息を発症する方は非常に多いです。
大人の喘息の7〜8割は大人になってから初めて発症しますし、子どもの頃に喘息だった方が、成人してから再発することも珍しくありません。
日本人のおよそ10人に1人が喘息を抱えていると考えられており、「夜から明け方にかけて咳が多い」「風邪の後に咳が長引くことが多い」といった症状は、大人の喘息のサインかもしれません。放置せず専門医に相談しましょう。
Q7.健康診断の胸部レントゲンで「影がある」と言われました。必ず精密検査が必要ですか?
異常を指摘された場合は早めに必ず精密検査を受けてください。
「影」の正体は、昔の肺炎の跡のような問題ないものから、肺がんや結核といった重大な病気まで様々です。
何もなければ「安心」できますし、何か病気が見つかっても「早期発見・早期治療」につながります。不安を解消するためにも、健診の結果は放置せず早めにご相談ください。
Q8.呼吸器の病気は、どのような検査で診断するのでしょうか?
代表的なものは「画像検査」や「呼吸機能検査」です。
「画像検査」である胸部レントゲンやCTでは、肺の内部を画像化し、異常がないか詳しく調べます。
「呼吸機能検査」では、マウスピースを口にくわえて息を吸ったり吐いたりしてもらって、肺活量や息に含まれる一酸化窒素の濃度を測定します。
いずれの検査も痛みを伴うようなものではなく、短時間で終わります。
「画像検査」で異常が見つかった場合は、内視鏡検査を追加で提案することがあります。その際には改めて詳しく説明させていただきます。
Q9.肺がんは早期に見つけることができますか?どんな症状に注意すればよいですか?
初期の肺がんでは症状がないことがほとんどで、早期に見つけるためには肺がん検診を受けて胸部レントゲンやCTを撮影することが最も有効です。
注意すべき症状は、長引く咳、血痰、胸の痛み、声枯れなどですが、これらの症状が出た時には進行していることも多いため、特にタバコを吸っている方や過去にたくさん吸っていた方は、「症状が出てから」ではなく「定期的な検診」を受けることを心がけましょう。
Q10.急に息が苦しくなった場合、救急受診の目安はありますか?
「突然、我慢できないほど息が苦しくなってきた」「唇や爪が紫になっている」「胸の痛みや冷や汗を伴っている」といった場合は、呼吸器の病気に限らず命に危険が迫っている可能性があります。また、「苦しくて横になれない」状態も危険なサインです。ためらわずに救急車を呼ぶか、病院に連絡して救急外来を受診してください。
