創傷治癒センターdepartment

概要

ご挨拶

2012年9月に創傷治癒センターを設立いたしました。
創傷、いわゆる「キズ」といっても様々な原因のものがあります。外傷性、褥瘡、血管性(動脈性、静脈性)、神経障害性(糖尿病)など様々です。そのような疾患の患者さんが、これまでどこの診療科に受診してよいかわかりにくいという声もありました。
創傷治癒センターは、そういった「キズ」「キズあと」で困っている患者さんの総合窓口になればと考えています。受診後精査した上で原因別に分類し、創傷治癒のための局所的治療のみならず、背景にある全身疾患の治療を各診療科で協力して行っていく体制です。

診療内容

特に動脈硬化疾患や糖尿病による足潰瘍に力を入れています。

高齢化や生活習慣病患者の急増により、動脈硬化や糖尿病による足壊疽の患者さんが増加しております。
近年そういった状態を、包括的高度慢性下肢虚血(CLTI:Chronic Limb-Threatening Ischemia)と言われ、予後は1年以内の死亡率25%と悪性疾患に匹敵するほど悪く、死因は下肢の潰瘍ではなく40%~60%が狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患が原因と言われております。当センターでは、特にこの分野に特に力を入れており、できるだけ大切断術を避け、歩行機能を維持するため、積極的に低侵襲なカテーテル治療を行っております。
それと同時に全身血管性病変を早期に治療し、生命予後の延長を図ることを大きな目標としています。
足潰瘍患者には血糖コントロール・血管再建術の他、生命予後延長のため様々な内科的治療が必要で、当センターでは総合病院である強みを生かし、それぞれの診療科が連携し、傷以外の治療にもあたらせていただいております。

なかなか治らない小さな「キズ」が、隠れた全身疾患を表していることもあります。
「キズ」「キズあと」でお悩みの患者さんがいらっしゃれば、一度受診していただくことをお勧めします。

末梢動脈疾患
(PAD: Peripheral Arterial Disease)

専門外来

創傷ケア外来

下肢潰瘍、褥瘡、その他創傷患者の局所処置だけでなく、医師の短い外来診察だけでは見逃されがちな生活背景のアセスメント、生活指導を行うことで早期の治療へ繋げることを目的としています。

担当 皮膚・排泄ケア認定看護師
外来日(予約制) 月曜日~金曜日の午前(第1、3月曜日除く) ※形成外科外来と併診で行っており、創傷ケア外来だけの診察は行っておりません。
まず形成外科を受診してください。
外来内容
  • 創傷ケア(創の洗浄、処置)
  • 胼胝けずり 爪切り
  • 足の観察、評価、スキンケア指導(皮膚潰瘍だけではなく、周囲の皮膚がカサカサ!etc)
  • 生活習慣のアセスメントと指導

フットウェア外来

足病変の保護と予防のため、医師、医療スタッフと一緒に総合的な治療プログラム(検査・評価・処方・適合・アフターフォロー)に取り組んでおり、医師の処方のもと、フットケア関連の靴やインソール(足底板)などを適切に製作し、提供しています。

担当 株)日本フットケアサービス装具士、皮膚・排泄ケア認定看護師
外来日(予約制) 第1、3月曜日午前(祝日は休診) ※形成外科外来と併診で行っており、フットウェア外来だけの診察は行っておりません。
まず形成外科を受診してください。
外来内容
  • 患者さんの足を観察し、型取り
  • フットケア関連の靴やインソール(足底版)などを適切に制作
  • 装具作成後のフォロー

対象疾患

足潰瘍

糖尿病性神経障害、末梢循環障害などが要因となり引き起こされます。高度虚血例は、足潰瘍より壊疽となり、足切断に至ることが少なくありません。各種薬物療法で治療困難な症例は、循環器内科による血管形成術を施行し、歩行機能を維持した状態で治癒するよう努力しております。
足関節部にできる潰瘍は静脈性であることが多いです。その場合は原因である下肢静脈瘤の治療(保存的、外科的)を行ったうえで潰瘍治療を行います。

実際の治療例(PDF)

下肢潰瘍について(外部リンク:済生会ホームページ)

足変形

これまでは、できた傷に対する治療を中心に行ってきましたが、重度の足変形をきたしたまま過ごされている患者さんが、多数おられることがわかってきました。今後は、そういった患者さんの生活改善、傷のリスクを軽減する目的で、足変形治療にも積極的に関わってまいります。

実際の治療例(PDF)

外傷

一般的な外傷に加え、手術後の離開創などにも対応しております。

褥瘡(とこずれ)

仙骨部を中心に、坐骨、大転子部などにも生じます。従来からの軟膏などを使用した保存的加療に加えて、陰圧閉鎖療法(VAC療法®)、手術療法も積極的に行っております。

傷あと・ひきつれ・ケロイド

各種外傷後の醜形を伴った傷跡・ケロイドやそれに伴うひきつれに対する治療も行っております(けがをした後、腕が上がりにくくなった。突っ張るようになった等)。

医師紹介

  • 南方 竜也

    南方 竜也
    みなかた たつや

    役職 センター長 兼 形成外科部長
    資格

    日本形成外科学会(専門医・再建・マイクロサージャリー分野指導医)
    日本頭蓋顎顔面外科学会(専門医)
    日本創傷外科学会(専門医)
    下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術指導医
    乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
    弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター

  • 廣田 峰基
    ひろた たかもと

    役職 副センター長 兼 循環器内科医長
    資格

    日本循環器学会(専門医)
    日本内科学会(認定医)

2023年度 治療実績

血管内治療 102件
褥瘡患者数
(うち手術治療患者数)
66人(31人)
潰瘍手術件数 86件
創傷ケア外来数
(延べ患者数)
79人
フットウェア外来数
(延べ患者数)
189人

外来担当医表

午前 A-3 南方 田中 南方 上田 上田
午後 覚道

11月21日(木)午後・12月19日(木)午後・2025年4月16日(水)・17日(木)・18日(金)の創傷治癒センターの診察は、休診となります。ご了承ください。

pagetop