糖尿病・内分泌内科department

概要

ご挨拶

糖尿病・内分泌内科では、糖尿病、下垂体・甲状腺・副腎・性腺などの内分泌疾患、骨粗鬆症などの骨代謝疾患の診療を幅広く行っています。

一人ひとりに合った専門性の高い持続可能な糖尿病治療

糖尿病は血液中の糖の濃度が高くなる(高血糖)病気です。症状としては「疲れやすい、喉がかわく、尿量が増える、足がつる、体重が減る、食後の強い眠気」などがあります。健康診断などで指摘されても、高血糖が生活に支障が出るほどの症状をきたさずに自分で「病気」とは自覚できないため、放っておかれることがよくあります。しかし、症状がないからと言って何もしないまま経過すると、数年経ってから次々に病気を引き起こしてしまうことがあります。ご自分が糖尿病かもしれないと気がついた時は、すぐに病院に行くようにしましょう。

糖尿病には主として1型と2型があり、多くの糖尿病は2型糖尿病です。糖尿病の遺伝素因をもつ人に過食、肥満、活動量低下、加齢、妊娠、ストレスなどの環境因子が加わって発症します。1型糖尿病は、免疫系の異常で膵臓でインスリンが作れなくなる病気でインスリンによる治療が必要となります。
治療が不十分であると年単位で血管を傷めて神経(し)、眼(め)、腎臓(じ)や壊疽(え)、脳梗塞(の)、心筋梗塞(き)(まとめて、しめじ、えのきと覚えます)など糖尿病合併症を起こします。同時に、高血糖が続くことでインスリン分泌する膵臓の働きが弱ってしまいます。また十分な栄養を取り込めない状態が続くため、体力や免疫の力が低下します。
これらを予防するためには糖尿病を早期から、きちんと治療することが重要です。糖尿病の治療は近年、目覚ましく進歩しており、適切な治療を続ければ糖尿病をもつ人も糖尿病をもたない人と同じ生活の質を維持することが期待できるため、もはや「怖い病気」ではなくなりました。

診療内容

当院は地域の糖尿病診療の中核病院として、以下のような方を中心に診療いたします。

  • 糖尿病を初めて診断されて治療方針がまだ定まっていない、あるいは何年も前に言われているが未治療
  • 治療しているが血糖目標のめやすであるHbA1cが目標範囲に到達しない
  • 糖尿病合併症が出現している
  • 他の併存疾患(認知症、悪性疾患、ステロイド治療を必要とする病気など)のために血糖管理が難しくなっている、あるいは手術が予定されていて厳格な血糖管理を必要とする
  • 1型糖尿病と診断され、専門的な治療を必要とする、またはカーボカウントやインスリンポンプ治療(持続皮下インスリン注入療法)を検討したい
  • 糖尿病と診断されていて妊娠を希望している

やや複雑な病態にも対応いたします。
近年、糖尿病診療は大きく変わり、治療の選択肢が広がりました。適切な治療を続けて心身ともに良い環境を保つことで糖尿病がない人と同じような生活の質を維持することが期待できます。当院では糖尿病専門医が病態を解析し、社会背景なども考慮しながら、一人ひとりに合った持続可能な治療を実践する糖尿病診療を行っています。1型糖尿病の方には持続皮下インスリン注入療法(インスリンポンプ治療)も行っています。糖尿病のある方の妊娠、糖尿病を持つ方の周術期血糖管理も行っています。

多職種チーム医療

糖尿病の診療では生活習慣が病状に大きく影響します。医師、看護師、栄養士、薬剤師、理学療法士、社会福祉士、臨床心理士といったさまざまな職種のスタッフとともに患者さんやご家族の困りごとを一緒に考え、一人ひとりにとって持続可能な療養を目指す、チーム医療を行っています。特に腎症2期以降の患者さんにはよりきめ細かい療養指導を合わせた透析予防外来を行い、腎症の進行予防に重点をおいています。フットケア外来では療養指導士がケアを行い、糖尿病足病変のリスクを減らすように努めています。
また定期的に糖尿病基礎講座、公開糖尿病教室を開催して患者さんとの交流を大切にしています。なお、糖尿病患者さんの会として、「野江糖尿病協会」を立ち上げています。

糖尿病パス入院

5-10日間程度のパス入院にて病状や合併症の評価を行います。
自己注射や血糖測定の方法を覚えていただくという薬物治療の習得と並行して、糖尿病について知っていただく機会を提供し、食事や運動などの生活習慣の見直し、療養支援のための社会調整などを行います。

各専門診療科との連携診療

糖尿病の合併症診療では専門各科との連携が欠かせません。当院では眼科、腎臓内科、脳神経内科、循環器内科、形成外科、皮膚科など多くの診療科の協力を得ながら専門診療をすすめています。

地域の先生方との連携診療

糖尿病は長期にわたる治療・療養が必要です。病気が見つかった初期や悪化した時の治療と、ある程度病状が落ち着いた慢性期の治療が異なることがあります。当院は急性期医療を行っており、外来、入院、いずれにおいても慢性期の治療に安定して移行するまでを責任を持って診療いたします。慢性期の治療に移行する際のフォローアップの各段階で、かかりつけの先生方との連携診療を重視しており、一人ひとりの長期診療を支えておられる地域の先生方の力となれるように努めています。半年毎に当院で、普段は地域の先生に診ていただく、という体制を基本としています。また、かかりつけ病院として緊急事態や変化が合った場合すぐにご紹介いただき、当院で精査を行うという体制を整えております。
「初めて糖尿病と診断された」「自分の病状についてこのままで良いのか専門医の意見を聞きたい」「糖尿病の合併症が出ていないのか心配」「今の治療法でうまくいっていないように思う」「管理栄養士から具体的なアドバイスを聞きたい」「何をどう頑張ったら良いのか知りたい」などなど患者さん自身も医療関係者も悩んでいることが多いと思います。かかりつけの先生にご相談し、地域医療連携課を介してぜひ当科を予約受診してください。

DM Net ONE

城東区・旭区・鶴見区・都島区およびその周辺の先生と大阪府済生会野江病院、大阪市総合医療センター、すみれ病院、関西医科大学総合医療センターを基幹病院として糖尿病地域連携パスDM net ONE(Diabetes Mellitus Network in Osaka NorthEast)を立ち上げております。
連携手帳を活用した連携パスによって、かかりつけ医と当院医師が協力して患者さんの治療経過を共有しながら治療を行ってまいります。

詳しくはこちら

内分泌疾患について

内分泌疾患は体の恒常性を調整するホルモンの異常によって引き起こされる疾患ですが、慢性甲状腺炎やバセドウ病のような比較的頻度の高い疾患から、全国で患者数が数十人というような特殊な疾患まで非常にたくさんの種類が知られています。また、がん治療の進歩とともに最近はがんの治療中に突然、内分泌疾患を発症することも増えてきています。当院ではこれらに幅広く対応し、専門的な検査を駆使して、多くの専門診療科と連携しながら、適切な治療の提供を行います。
内分泌疾患の診断では、放射性同意元素を使うシンチグラフィーという放射線の検査や疾患に関連する臓器の一部組織を調べる必要がある場合もあり、診断、治療において当院の外科系各診療科(耳鼻咽喉科、泌尿器科など)、臨床検査科や病理診断科と連携しています。ただし、副腎静脈サンプリング検査や下垂体手術についてはさらに多くの症例を扱っている専門性の高い病院を紹介しています。

教育、臨床研究活動

京都大学をはじめとする大学・研究施設や医療機関、野江看護専門学校とも幅広く連携しながら、医療者教育、臨床研究を行っています。日々の診療の中で見出される疑問、より良い治療法を求める想いが研究の大きな推進力となっています。 なお、当院は日本糖尿病学会認定教育施設、日本内分泌学会認定教育施設に認定されています。

臨床研究について

医師紹介

  • 阿部 恵

    阿部 恵
    あべ めぐみ

    役職 部長
    資格

    日本内科学会(認定医・総合内科専門医)
    日本糖尿病学会(専門医・研修指導医・近畿支部評議員・学術評議員)
    日本内分泌学会(内分泌代謝科専門医・内分泌代謝科指導医・評議員)
    日本肥満学会(肥満症専門医・評議員)

  • 綾野 志保
    あやの しほ

    役職 副部長
    資格

    日本内科学会(認定医・総合内科専門医)
    日本糖尿病学会(専門医・研修指導医)
    日本内分泌学会(内分泌代謝科専門医・内分泌代謝科指導医)

  • 村井 啓了
    むらい ひろのり

    役職 医長
    資格

    日本内科学会(認定医)
    日本糖尿病学会(専門医)

  • 高井 杏実
    たかい あみ

    役職 医員

入院患者・死亡患者の疾患(主病名)別内訳 2022年度

(単位:人)

疾患 入院患者数 死亡者数
2型糖尿病 166 0
1型糖尿病 16 0
二次性糖尿病 7 0
内分泌疾患 7 0
電解質異常 4 0
その他 27 0
227 0

外来担当医表

午前 B-13 予約外来
阿部
予約外来
阿部
予約外来
綾野
予約外来
村井
新患・予約
高井
B-14 新患・予約
綾野
新患・予約
村井
新患・予約
阿部
新患・予約
阿部
予約外来
森田
午後 B-13 予約外来
阿部
予約外来
綾野
予約外来
村井
予約外来
綾野
B-14 予約外来
高井
予約外来
安田
予約外来
鯉江

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