整形外科
診療内容
2021年より日本脊椎脊髄外科指導医の石井副部長、脊椎外科、整形外科指導医の関口医長、外傷整形外科、膝関節外科、整形外科専門医の大島医長、股関節外科、整形外科専門医の陸野医師らの活躍により幅広く多様な患者さんの需要に答えられる体制を構築する事ができました。専門性高く脊椎外科、関節外科、救急外傷外科が診られるようになり、実績をみても2022年度も前年に続き過去最高の手術件数を更新する事ができました。整形外科医師も1人増え、7人から8人体制となりました。外傷整形外科、関節外科、脊椎外科、スポーツ整形外科に関して専門性の高い最先端の医療を提供しています。済生会野江病院整形外科チームは一丸となり患者にとって最良の治療が提供できるように日々精進して参ります。
具体的には、2021年から日本脊椎脊髄外科指導医であります石井副部長が脊椎専門外来を開設し、整形外科指導医の関口医長とともに脊椎チームとして最新の医療機器を整え専門性の高い脊椎外科治療を提供しています。頚椎から腰椎疾患、脊椎圧迫骨折等の骨粗鬆症関連疾患、脊椎側湾症を含めて多岐にわたる脊椎疾患の治療を行っています。
2022年より膝関節専門外来を整形外科専門医であります大島医長が行っています。骨軟骨移植、膝関節靭帯再建術、半月板縫合術、骨切り術などの膝関節温存手術と共に人工膝関節置換術を幅広く行っています。
部長の柴田は関節外科専門医として股関節、肩関節、膝関節の治療を従来通り行っています。股関節専門医として人工股関節や股関節鏡手術を専門性高く行います。肩腱板断裂、関節唇損傷等の肩関節疾患も肩関節鏡下に治療しています。今後もより多くの方に最先端の手術をご提供できるように精進して参ります。
これまで通り地域の救急医療の中心的な役割を担うべく、積極的に救急患者、外傷患者の受け入れと治療を行って参ります。いずれの手術も専門性高く、最新の治療を患者の皆様にご提供できるようにチーム一丸となり更に精進して参ります。
また、当科のみでは手術困難な症例でも地域の医療機関、京都大学、関西医科大学等との連携を生かし患者さんを紹介もしくは専門医を招聘して手術を行うこともしています。どのような症例でも責任を持って最善の治療を提供できるよう努めて参りますので、よろしくお願い致します。
※原則予約制のため、紹介状をお持ちください。
当科の特色
他の動物と異なり、人間が人間たる所以は高度な知能とそれを支え発展させて来た高機能の運動能力を持ち合わせていることです。また、人間は立つ歩行する等の二足運動をする事で体の代謝や循環のバランスを保ち健康を維持しています。怪我や変形等でその運動能力が損なわれると健康を維持する事も人間らしく生きて行く事も困難になります。その高機能の運動能力を再建し回復させる治療をする科として整形外科は大切な役割を果たしているものと思っております。整形外科領域の治療は高度な社会になるにつれその重要性は増しています。人間が人間らしく長く生き続けるために大切な役割を担っている科として皆さまの為に我々済生会野江病院整形外科チームは日々努力し精進しています。
整形外科疾患
股関節領域
股関節はヒトの最大荷重関節です。股関節には、片足を踏み出す際に体重の4倍もの負荷がかかると言われています。ヒトが立って歩行する際に最も重要な関節と言えます。
股関節を中心とした鼠径部周囲の痛みの原因は様々です。というのも鼠径部の近傍には股関節とその周囲の筋肉や軟部組織のみならず、骨盤内から陰部の臓器、腰部から下肢に伸びる坐骨神経を含む神経血管等多くの臓器が複雑に交わっている領域であり、正確に痛みの原因を診断するには高度な知識と経験を要すると言えます。
股関節インピンジメント症候群
(Femoroacetabular Impingement:FAI)
股関節の疾病で、近年その診断と治療方法が目覚ましい発展を認め注目されている疾病です。
FAIは臼蓋縁の変形突出(Pincer)あるいは大腿骨の変形突出(Cam領域)が、股関節屈曲時に繰り返し衝突(impingement)する事で挟まれる関節唇や関節面に損傷が生じる形態異常を指します。
症状としては、主に股関節を深く曲げる動作(くっしん・しゃがむ・靴下や靴を履く動作、階段を登る・走る・自転車乗り等の運動、車からの乗り降り等)で股関節部、特に前方外側部に痛みを自覚します。運動をする比較的若い人に発症しやすい股関節疾患です。
【治療】
消炎鎮痛剤やリハビリ加療による保存的加療を行います。痛みが持続する場合は、超音波エコー下(もしくは透視下)の股関節内へ注射が有用です。それでも痛みが持続し変形性股関節症の所見がない、もしくは軽度の場合は、股関節鏡下の手術的加療が考慮されます。
股関節鏡下の手術的加療では、下肢を牽引、股関節鏡下に関節内を確認します。関節唇損傷があれば、修復処置をします。損傷が強い場合は部分切除を行います。臼蓋、大腿骨頚部の骨変形が認められれば、骨を削り骨形態の異常を形成処置します。そのほか関節内の滑膜炎や関節軟骨の損傷があれば、切除やマイクロフラクチャー処置をします。股関節の不安定性があれば、関節包縫縮術を追加します。
術後は骨の形成の度合いに応じて下肢の免荷と股関節の可動制限をします。術後約2週間は制限を要します。その後、股関節の可動域、筋力回復のためのリハビリ加療を行います。
変形性股関節症
軟骨がすり減ってしまうことで骨と骨が直接ぶつかり、変形や痛みを生じる経年性の疾患です。
日本人の場合、もともと寛骨臼の形成が不十分(寛骨臼形成不全:かんこつきゅうけいせいふぜん)で被りが浅く、体重を受ける面積が小さいことが原因となることが多いです。最近では高齢者の骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が原因となっていることも多くなっています。
【治療】
まずは保存療法を試みます。関節周囲の筋力や体幹を鍛えるリハビリを行い、消炎鎮痛剤の注射や投薬をします。それでも症状が続くようなら手術を考えます。
- 棚形成術
手術は年齢や股関節の軟部組織の損傷、変形の度合いによって幾つか選択肢があります。比較的若い方は「軟骨損傷」や、関節唇(かんせつしん)という水道管でいえばゴムパッキングの部分がはがれる「関節唇損傷」が見つかることも多く、その場合は股関節鏡下手術で損傷部分を除去し縫合します。
寛骨臼形成不全の部分では、寛骨臼の前外側に屋根を作るような形で骨を移植し、骨頭の被覆を改善する手術(棚形成術)を行うことで、進行を防ぐ治療をします。
- 人工股関節置換術
変形が強い場合には人工股関節置換術を行うことになります。
当院が採用している人工股関節手術のタイプはハイブリッド方式とよばれるものです。カップ側はセメントレス、ステム側はセメントタイプを使っています。カップ側はセメントレスの方が若干固定性がよく、設置しやすいと考えております。一方、大腿骨は患者さんによって形状が異なる上に、人工股関節は寛骨臼側と大腿骨側の設置角度が大変重要です。セメントタイプならその微妙な角度の調整が可能で、術前計画通りに固定することができると考えています。
人工股関節は20年、25年と長く使っていただくものですので、最も重要なのは手術時間が短いとか傷が小さいということよりも、いかに正確な角度と位置に人工関節を設置するかということです。このことを大前提に私が採用しているのは「前側方(ぜんそくほう)アプローチ法」という切開法です。この前側方アプローチ法は、お尻側でなく体の前の方から寛骨臼を見ることができるためその形が見やすく、カップの設置位置をしっかり確認できるという利点があります。また人工股関節は脱臼するリスクがありますが、このアプローチ法は後ろ側の筋肉を切らないために、脱臼を防ぐ意味でも有効だと考えています。
- 人工関節再置換術
病院には同種骨バンクも兼ね備えており、骨欠損を有するような進行している人工関節のゆるみの再置換術にも対応できる体制を整えております。
人工股関節手術の合併症
合併症には最善の注意を払っております。合併症で最も困るのは感染です。人工物の周囲は免疫が弱くなるため、人工物そのものに菌がつくと菌が繁殖する恐れがあります。そうなると人工物を一度抜去して洗浄し、抗生物質での治療を行い、沈静まで6週間程度の時間を要するなど非常に大変なことになります。そのため当院では手術室をクリーンルームで行い、術者はサージカルヘルメットという宇宙服のようなものを着用、手術前の消毒、手術中の洗浄液、人工関節の取り扱い、人工関節周囲の抗生剤の使用、最終的な創部の縫合様式と全ての段階で清潔環境に細心な注意を払っております。
肩関節領域
肩関節とは人間の最大の特徴である手の機能を発揮するために可動性と手を正確に使うための安定性を兼ね備えた関節です。人体の中でもっとも可動域の大きい関節であると同時にもっとも不安定な関節でもあります。このため、もっとも脱臼しやすい関節であります。5人に1人は一生で一回は何らかの原因で肩の症状を自覚し、30歳以下では主に脱臼、骨折等の外傷によるものが多くなっています。しかし、肩関節痛の大半は50~70代に自覚し、この多くは年齢的な肩関節の変化が原因です。肩腱板断裂や肩の変形性関節症や五十肩といったものです。
肩関節の症状で外来を受診していただく患者さんの中で多く診る肩の疾病は、五十肩、肩インピンジメント症候群、肩腱板断裂です。
五十肩
【特徴】
画像的での診断所見がなく、自動でも他動でも認められる多方向性の強い可動域制限(他の疾患―心臓、内臓、骨腫瘍、神経痛、関節内の損傷等―を除外)です。
【治療】
保存的(リハビリテーション、処方、注射等)なものが主体となります。
肩インピンジメント症候群
【特徴】
腕の挙上動作の際に一定の高さまで挙げると肩の外側から上腕にかけて疼痛を自覚します。他動では可動域制限は軽度であるのが五十肩とは大きく異なる特徴です。酷くなると夜間痛を自覚することもあります。
【治療】
肩の筋力バランスを考慮した筋力訓練が主体になります。悪くなれば注射をすることもあります。
肩腱板断裂
【特徴】
上記の肩インピンジメント症候群の症状が悪化、腱が断裂するために腕の上がりが悪くなり、場合によっては上がらなくなることもあります。
【治療】
筋力訓練を中心としたリハビリをまず行いますが、症状の改善なく筋力が改善しない場合は肩関節鏡視下での腱板修復術を行います。
手術後のリハビリは装具固定を要します。リハビリ加療は1−2ヶ月を要します。
膝関節領域
膝関節は大腿骨(太ももの骨)・脛骨(すねの骨)・膝蓋骨(お皿の骨)で成り立っています。
骨の形が特徴的で、股関節・足関節と比較すると、不安定な関節です。それを支えるために靭帯・半月板といった骨以外の組織が発達しており、重要な役割を果たします。
言い方を変えると、それらが損傷する疾患もたくさんあるということです。
疾患は大きく分けて、
に分けることができます。
変形性膝関節症
膝関節の骨の表面にある軟骨がすり減ってしまい、骨同士が擦れ合って痛みや炎症が生じている状態です。
骨同士が擦れて、骨の形が変形してしまうため、「変形性膝関節症」と呼ばれます。
【症状】
歩行時の膝の痛み、O脚・X脚変形、曲げ伸ばしの制限など、膝周辺に多彩に及びます。
【治療】
まずは保存的治療を行います。
痛みが継続する場合は、手術加療が考慮されます。
【手術】
大きく分けて関節温存術と関節置換術があります。
この手術が適応となるのは、
・中等度変形:内側(もしくは外側)に変形が限定している
・良好な可動域:膝がよく曲がる
・活動度が高い:70歳前後まで
の方です。
適応が限定的ですが、徐痛効果に優れるだけでなく、自分自身の関節を温存するため、術後の制限は全くありません。正座・アクティブスポーツ・マラソンなども可能です。
この手術が適応となるのは、
・重度変形:内側・外側どちらも変形を認める
・可動域制限:膝が伸びない、曲がらない
・病歴:関節リウマチ、血友病など基礎疾患がある
など、関節温存術が適応とならない全ての方です。
歩行機能の改善・徐痛に優れた成績を残しています。ただし正座のような大きい関節可動域を期待出来ません。一般的な運動に関しては制限ありません。
人工関節置換術を行うことで、歩く時の膝の痛みが改善するため、生活の行動範囲が広がり、充実した人生を送るための大きな手助けになります。
離断性骨軟骨炎、軟骨損傷
スポーツ中の怪我などで、骨に付着している軟骨のみが剥がれ落ちてしまうことがあります。軟骨の骨折と考えることができます。
【症状】
継続した歩行時・運動時の膝痛、違和感を訴える方が多いです。
【治療】
保存的治療、手術加療があります。
損傷部の大きさ・場所によって治療法が変わります。
【手術】
骨軟骨移植術という手技を行います。
膝の機能に影響しない部分の軟骨を、損傷している部分へ埋め込みます。
前十字靭帯損傷
前十字靭帯とは、膝関節が不安定にならないように、大腿骨と脛骨をつなぐ、とても強力な靱帯です。
スポーツによる膝外傷での頻度が高く、バスケットボールやバレーボール、サッカー、スキーなどでよく発生します。ジャンプの着地や急な方向転換などでの発生が多いです。
【症状】
受傷時は激しい痛みを伴いますが、徐々に改善し、2-3週間で歩行が可能となります。
しかし、膝の靭帯は断裂したままなので、不安定感、膝が抜ける感じ、が生じることが多いです。
【治療】
前十字靱帯は、一度切れてしまうと自然治癒の可能性はほぼありません。そのため靱帯再建術を行います。
【手術】
関節鏡というカメラを用いて、できる限り低侵襲で行います。再建に用いる靱帯は、患者さん自身の腱を移植する方法を行っています。
半月板損傷
半月板は、膝関節の内側と外側にそれぞれある、軟骨の一種であり、膝にかかる負担を分散したり、衝撃を吸収したりする働きをしています。膝をひねったり、衝撃が加わったりして損傷することが多いです。
【症状】
損傷すると、運動時の痛みや、曲げ伸ばしした際に引っ掛かり感が出現します。
損傷した半月板が、骨の間に嵌まり込んでしまい、激痛を伴いながら膝が動かなくなる可能性もあります。
【治療】
保存的治療と手術加療があります。患者さん自身の症状・活動度・スポーツの種類などによって治療法が異なります。
【手術】
関節鏡というカメラを用いて低侵襲で行います。傷んでいる部分を切除する場合や、縫合する場合があります。
以上が代表的疾患となります。もちろんそれ以外の治療も行っております。
あくまで簡略的な説明であり、外来診察時に、患者さんと相談しながら治療方針を決定しております。患者さん、ご家族と情報を共有し、お互いに納得して治療を行うことを重要と考えています。
ひとえに膝痛といっても、原因は多岐にわたります。
痛みに悩みながら生活するのではなく、一度当院へ受診頂き※、一緒に改善の道を探しましょう。
脊椎領域
脊椎(せぼね)は人間の体の中央にあり、頚、胸、腰と分かれています。主な役割は2つです。
- 身体をまっすぐ支える機能
- 脳からの指令を全身に伝える大事な神経(脊髄)を保護する
加齢による変形や、ケガなどでこれらの働きが上手くいかないと腰や足の痛みや痺れ、歩けないなどの症状が出てきます。
治療の原則は保存的治療(投薬やリハビリ等)ですが、保存的治療で効果が乏しく、日常生活に困るようであれば手術を検討いたします。近年の手術技術、安全性の向上は目覚ましく、高齢の方、持病をお持ちの方にも負担が少なく手術を受けて頂けるようになってきました。
当科では2021年4月に脊椎手術の専門医資格である指導医を持った石井医師が赴任、脊椎手術は前年度と比し100件以上増えています。腰椎の低侵襲(出血や体への負担が少ない)固定術である側方アプローチ(年間44件)をはじめとした脊椎手術を行っており、良好な治療成績を得ています。
「脊椎の手術は怖い」と言う声をよく耳にします。命に直結する病気ではありませんが、長らく痛みに苦しみながら生活している方、痛みで動けなくなってしまっている方に手術は生活の質を改善する大きな効果をもたらします。手術によって得られる効果、一般的な経過、合併症の可能性等丁寧に説明し、理解納得して手術を受けて頂けるように努めています。他の病気と症状が重なる事も多い脊椎疾患の治療の成功に最も重要なのは診断と考えており、丁寧な診断と説明を心掛けています。
【手術治療】
多くの脊椎疾患は脊椎の「変形」とそれに伴って「神経の通り道が狭くなる」事で症状を起こします。手術治療は「狭くなった神経の通り道を広げる事(骨を削る除圧術)」と「変形の矯正(金属を用いた固定術)」の組み合わせで行います。
- 除圧術(模式図)
- 固定術
以下、代表的な疾患と当院の手術症例を提示します。頻度の高い症状と疑われる脊椎疾患の病名です。
- 足のしびれ、痛み ⇒ 腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア
- 手のしびれ、痛み ⇒ 頚椎症、頸椎椎間板ヘルニア
- 腰の痛み ⇒ 腰椎圧迫骨折、変形性脊椎症
病名は様々なのですが、まとめると
《腰の神経の通り道が狭くなる病気》
腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症
【症状】
ア)お尻~足にかけての痛み、しびれ
イ)歩くと足がしびれて歩けなくなる。休むとまた歩ける(間欠性跛行)。
段々と重症化すると
ウ)足に力が入らなくなる(麻痺)。
エ)排尿排便に障害が出る(膀胱直腸障害)。
へと進んできます。
麻痺や膀胱直腸障害が出る重症型は早期の手術が望まれます。
痛みや間欠性跛行は日常生活に支障が出る程度となれば手術を検討します。
【手術例】
お尻~足の痛みで歩くのに苦労し、寝ていても痛みで起きてしまっていた患者さんです。
固定術を行い、お尻、足の痛み共に消えました。
《頚の神経の通り道が狭くなる病気》
頚椎症、頸椎椎間板ヘルニア
病気の起こり方は腰の神経と同じです。
【症状】
ア)神経根症状・・肩甲骨、手や腕の痛み、しびれ
イ)脊髄症状・・手の使いにくさ、歩きにくさ、排尿排便に支障
神経根症状であれば保存的加療で経過を見ていきます。
脊髄症状が出ると重症ですので手術が望ましいです。
【手術例】
手のしびれと使いにくさ、歩行障害が出ていた患者さんです。
前方固定術(頸の前からの手術)を行い、経過良好です。
《骨折、または骨折による背中の変形(腰が曲がる)》
脊椎圧迫骨折
脊椎は圧迫骨折といって骨が潰れる形で折れる事が多いです。
骨粗鬆症の方に良く起こり、特に外傷なく起こる事もあります(いつの間にか骨折)。
非常に多いですが、寝たきりになってしまう事もある怖い骨折です。
診断としてはレントゲンやCT、MRIの画像検査を行います。
1回のレントゲンだけでは診断が付かない事も多く、「高齢の方が急に腰痛を起こし、なかなか良くならない」場合は大きな病院でCTやMRIを撮る方が良いです。
治療はコルセットを作成して保存的治療(数か月)が原則ですが、骨折の形や経過次第で手術が検討されます。
圧迫骨折、または圧迫骨折後の変形に対する治療はこの10年で大きく進歩し様変わりしています。
BKPという潰れた骨にセメントを詰める低侵襲手術(傷は極めて小さいです)から骨折で変形してしまった体のバランスの矯正手術まで様々な治療の選択肢が増えています。
【手術例】
圧迫骨折後なかなか痛みが引かなかった患者さんです。
BKP(セメントを詰める手術)を行いました。
圧迫骨折後の変形で体が傾いてしまい、足の痛みと体の傾きで歩くのに不自由していた患者さんです。
固定術により体の傾きは消失。足の痛みも取れて歩行しやすくなりました。
圧迫骨折を起こした方は、以降骨折を繰り返しやすいと言われており骨粗鬆症の治療も併せて総合的な治療介入が必要な病気です。
当院で力を入れている分野ですので、是非とも紹介状をお持ちのうえ受診、ご相談いただければと考えています。
診療担当・日時
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
午前 | B-5 | 予約外来 《脊椎》 石井 |
予約外来 柴田 |
予約外来 関口 |
予約外来 《膝関節》 大島 |
予約外来 柴田 |
B-6 | 予約外来 大島 |
予約外来 田吹 |
予約外来 山下 (第1・3・5) 泰永 (第2・4) |
予約外来 長田 |
予約外来 田吹 |
|
B-4 | 予約外来 木村 |
予約外来 関口 |
予約外来 長田 |
予約外来 《脊椎》 石井 |
予約外来 山下 |
|
午後 | B-5 | (手術) | 予約外来 《股関節》 柴田 |
(手術) | (検査) | (手術) |
B-6 | (検査) | |||||
B-4 |
【整形外科】診療体制変更のお知らせ
2018年4月より、整形外科の外来診療は原則予約制となりました。
なお、紹介状をお持ちの方はこの限りではありません。
原則的に診察予約は手術対象の患者さんに限らせていただきますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。→詳しくはこちら
診療実績
2021年度手術症例
脊椎外科 | 頚椎 | 23 |
---|---|---|
胸腰椎 | 111 | |
関節外科 | 人工股関節 | 36 |
人工股関節再置換 | 4 | |
股関節鏡手術 | 14 | |
大腿骨人工骨頭 | 62 | |
人工膝関節 | 44 | |
膝半月板手術 | 21 | |
膝靭帯再建術 | 7 | |
肩関節鏡 | 11 | |
人工肩関節 | 4 | |
外傷 | 上肢骨折手術 | 156 |
下肢骨折手術 | 185 | |
手の外科 | 37 | |
腫瘍外科 | 4 | |
その他 | 33 | |
合計 | 752 |
スタッフ紹介
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部長 兼 リハビリテーション科部長 柴田 弘太郎ロバーツ
[専門分野] |
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副部長 石井 達也
[専門分野] |
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医長 関口 和也
[専門分野] |
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医長 大島 卓也
[専門分野] |
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医員 山下 洋一
[専門分野] |
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医員 田吹 紀雄
[専門分野] |
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医員 長田 篤史 [専門分野] 整形外科一般 |
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医員 木村 真大 [専門分野] 整形外科一般 |
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非常勤医師 泰永 募
[専門分野] |