泌尿器科department

概要

ご挨拶

泌尿器科では、患者さんの希望を第一に、そしてできるだけ体への負担の少ない検査や治療の提供を心掛けています。そのために新しい知識、技術を積極的に取り入れ、より良い検査や治療を行えるよう、日々努めています。特に手術に関しては、体への負担が少ないとされる内視鏡手術を中心に行っております。

診療内容

泌尿器科では、尿を作る腎臓(じんぞう)、作られた尿の通り道である尿管(にょうかん)、尿をためる膀胱(ぼうこう)、膀胱からの尿の出口である尿道(にょうどう)や、前立腺(ぜんりつせん)、精巣(せいそう)、陰茎(いんけい)などの男性生殖器、さらに腎臓のそばにある副腎(「ふくじん」といい、大切なホルモンを作る部分です)などに起こる病気や異常を診療します。泌尿器科では薬による治療も行いますが、手術による治療も行います。
なお、当科では勃起障害(ED)、男性更年期障害、包茎手術、男性不妊症等の診療は行っておりません。これらの疾患については他の病院、専門クリニック等を受診いただきますようお願いいたします。

主な疾患

尿路悪性腫瘍

前立腺がん

前立腺がんは最近日本でも増加傾向にあり、日本人男性のがんで最も多く診断されています。現在大阪市がん検診でも行われている血液検査(PSA:ピーエスエー)は、前立腺がんの発見に非常に役立ち、PSAの結果が4ng/ml以上(60歳未満の場合は3 ng/ml以上)の場合、すみやかに泌尿器科を受診し、精密検査を受けていただくことをおすすめします。
当院では前立腺がんの疑いが強い場合に、前立腺の組織検査(生検)を行っています。一泊二日の入院で、短時間で終了します。
組織検査で前立腺がんが判明した場合、年齢、がんの悪性度、進行状況により、手術、放射線療法、内分泌治療などの中から、個々の患者さんに適した治療方法を提案します。

尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂尿管がん)

尿に血液が混じる血尿には、さまざまな病気が原因となりますが、症状が特になく出現する血尿には注意が必要であり、検査で膀胱がんが見つかることは珍しくありません。当科では苦痛の少ない軟性膀胱鏡にて、ほとんどの場合受診当日に検査いたします。

腎がん

最近ではCTや超音波検査などで、腎臓にできもの(腫瘍)が偶然見つかることが多くなっています。これらの中には、腎がんなどの悪性腫瘍もあり、精査が必要となります。腎がんの場合、腫瘍が小さければ(径4cm未満)、腫瘍部分のみを内視鏡で取り除く手術(腎温存手術)が今日の主流となっており、当科でも積極的に行っています。

泌尿器がんロボット補助下手術

現在は、これまでのこれらの悪性腫瘍に対する腹腔鏡下手術に代わり、ロボット(ダヴィンチ)を用いた内視鏡手術を行っております。現在当科で施行しているロボット手術は以下の術式になります。

  • 前立腺がんに対する根治的前立腺全摘除術
  • 膀胱がんに対する根治的膀胱全摘除術
  • 腎がんに対する根治的腎摘除術および腎部分切除術
  • 腎盂尿管がんに対する腎尿管全摘除術

ロボット補助下手術の最大の利点は、拡大された詳細な立体視野のもとで、手ぶれのない緻密な操作が可能であることから、より正確かつ安全な手術を遂行できることにあります。

前立腺肥大症

高齢男性における排尿困難(尿が出にくい)、頻尿(トイレに行く回数が多い、特に夜間)、尿失禁(トイレに間に合わず漏れてしまう)などの原因として最も多く、夜間の睡眠が妨げられ、ちょっとした外出もはばかられるなど、大変悩ましい病気です。
薬を使った治療では、尿の通り道の抵抗を少なくし、排尿をスムーズにする薬(アルファ1遮断薬)をまず投与し、改善が乏しいようであれば、他の作用を持つ薬剤を追加投与します。
これらの薬物療法で十分な効果が得られない場合は、内視鏡手術による治療を検討します。現在さまざまな手術方法がありますが、当院では経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP:ホーレップ)という手術方法を提供しています。このHoLEP(ホーレップ)は、手術中や手術後の出血が少ないなど多くの利点があります。

尿路結石

尿管結石の場合、背中の片側やわき腹に突然、非常に強い痛みが生じることがあります。小さな結石(およそ直径5mm以下)に対しては、まずは痛みを和らげる薬(鎮痛剤)や、石を出やすくする薬(排石促進剤)などの投与により、尿とともに自然に結石が排出されることを期待します。一方、早期の結石除去を希望される方には体外衝撃波結石破砕術(ESWL)による結石の破砕を考慮しますが、当院にはこの治療器機がなく、これによる治療を希望される方は他の病院に紹介いたします。
大きな結石や、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)での治療が困難と考えられる場合は、入院の上で内視鏡手術による結石摘出を考慮することになります。

尿路感染症

悪寒(さむけ)とともに38度以上の発熱がある場合、腎盂腎炎や前立腺炎の可能性があります。多くの場合、入院での点滴による抗菌剤の投与が必要となります。結石が原因で発生する腎盂腎炎の場合、重症化することもあり、早急な対応が必要となります。

頻尿・尿失禁

頻尿、尿失禁の原因にはさまざまなものがあります。まずはお近くの泌尿器科クリニックでの診察をお勧めいたしますが、手術が必要な病気が原因の場合は当科に紹介受診していただいております。なお、女性泌尿器科疾患(腹圧性尿失禁、骨盤臓器脱)に対する手術は現在のところ当科では行っておりません。

医師紹介

  • 河 源

    河 源
    かわ げん

    役職 部長
    専門分野 泌尿器科悪性腫瘍内視鏡手術
    資格

    日本泌尿器科学会(専門医・指導医)
    日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会(泌尿器腹腔鏡技術認定医)
    日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
    泌尿器科da Vinci Xi 支援手術教育プログラム修了

  • 吉田 崇
    よしだ たかし

    役職 医長
    資格

    日本泌尿器科学会(専門医・指導医)
    日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会(泌尿器腹腔鏡技術認定医)
    日本内視鏡外科学会(腹腔鏡技術認定医)
    泌尿器科da Vinci Xi 支援手術教育プログラム修了

  • 秋山 恭二朗
    あきやま きょうじろう

    役職 医員

2023年度 主な手術施行数

(単位:件)

前立腺がん 腹腔鏡下前立腺全摘除術 11
ロボット補助下前立腺全摘除術 3
経直腸前立腺針生検 127
腎がん 腹腔鏡下腎摘除術 4
根治的腎摘除術(開放手術) 1
腹腔鏡下腎部分切除術 4
腎盂尿管がん 腹腔鏡下腎尿管全摘除術 9
膀胱がん 腹腔鏡下膀胱全摘除術 5
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt) 81
その他の疾患に対する腹腔鏡下手術 2
前立腺肥大症 経尿道的前立腺手術 34
腎結石・尿管結石 経尿道的結石砕石術(TUL) 54
2023年度全手術症例 371
うち全身麻酔下手術 121
うち腰椎または局所麻酔下手術 250

外来担当医表

午前 D-7 予約外来
予約外来
秋山
交代制 予約外来
吉田
D-8 村上
滝澤
吉田 秋山
午後 D-7 手術 検査 検査 手術 検査
D-8

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